5.17大阪都構想から1ヶ月。「若者が政治を動かすヒント」

大阪都構想が否決になって、今日でちょうど1ヶ月。

これまでの人生、ずっと政治に無関心だった私も「大阪都構想」に関しては一転、自分でも想定外なほど本気で政治運動に参加した。自分なりのアイデアで発信した情報は、いつの間にか都構想・反対派の藤井聡教授に非難され、大阪維新の会にはバックアップされるという大きなものになっていた。

私は関西に生まれ、今は大阪市民。だが、1年前までは東京23区民だった。大学から上京、18から29歳までを東京で過ごし、最近になって大阪へ戻った。生粋の大阪人からすると、"エセ大阪人"と言われそうな私が、なぜ大阪都構想に本気で賛同したのか。私のストーリーを少し紹介した上で、「若者」の立場として政治に関与できた事を伝えたい

 

 大阪という「地方」

私が東京のIT企業を離れる時、「なぜ大阪?」という質問を多く受けた。聞けばそれは、単純な疑問という事ではなく「京都だったら羨ましいけど」とか「大阪で働くメリットって何?」といった「なぜ、わざわざ大阪?」という意味を含んだ質問ばかり。いざ東京を離れる時に実感した、この大阪の存在感の薄さが非常に悔しかった。

 

‟ 第二の都市 ” の形骸化 

ハッキリ言って大阪を「第二の都市」と表現するのは、かつての学校の先生と、大阪人くらい。東京からすると東京>大阪の格差は圧倒的で、「首都とそれ以外」位にしか思っておらず、それどころか関東には、東京>神奈川>大阪と考える人さえいる。大阪という街を、大阪の中から見るのか、それとも首都・東京から見るのか。大阪の見え方は全くといっていい程に違う。

 

‟ 大阪を日本の第二のエンジンにしたい ”

昨年の12月13日、なんば高島屋前で橋下徹という人間を初めて目の前で見た。言葉で説明しづらいが、その演説は衝撃だった。東京に居た時からずっと抱いていた、沈みゆく大阪に対する悶々とした気持ち。この気持ちは、政治を通して、橋下徹を通して具現化できるかもしれないと本気で思えた。「大阪を東京に並ぶ、第二の都市にしたい」という思いが私の中で確固たるものとなり、この日から、大阪都構想を勉強した。

 

大阪都構想・反対派に感じた違和感

テレビ・新聞のチェックは勿論、維新タウンミーティングや、反対派の集会にも参加した。賛否両論あった、たむらけんじ+辛坊治郎の勉強会LIVEにも。多くの情報を自分なりに整理して感じた事。それは、大阪都構想を反対する理由に非常に抽象的・感情的なものばかりが目立った事。

 

東京都民にとっては「市」=「郊外」が当たり前

都構想反対派のワードの中でも目立だったのが「大阪市をなくすな」というフレーズ。東京に住んだ人なら誰でも気づく事だと思うが、東京では「23区」は都会、そして「市」は郊外という印象が当然の様に根付いている。東京都民にとっては、なぜ大阪人が大阪「市」という名称を残したがるのか、不思議な光景に映ったに違いない。最近まで東京23区民だった私も、大阪市民が「市民を卒業できるチャンスなのに何故」という違和感を感じた。私としては、都構想の論点をもっと深いところへ持っていきたかった。

 

 

若者が政治に思う「どうせ」の脱却

若者がなぜ政治に参加しないのか。この本質は 「どうせ」 という言葉に尽きる。私もそうだ。「どうせ家族や友達を誘ったところで、どうせ変わらない」。事実、私は大阪都構想に関して、家族も友人も誰一人として説得しなかった。「どうせ」1人や2人に影響を与えたところで何も変わらないと思った。その代わり、徹底的にインターネットを駆使してみようと考えた。結果的にはネット活動でそれなりの数の大阪市民に影響を与える事ができたと思う。

 

▼私の書いた記事

結果的にこの記事は31万人(UU)に読まれ、そしてfacebookで5000いいね!以上という影響を持つ事ができた。大阪維新の会、猪瀬元東京都知事たむらけんじ氏らにも紹介される一方、藤井聡京大教授にはブログ・facebook上で「賛成誘導のための中立偽装サイト」と強く非難された。今後、ネットを使った市民活動がますます大事になると思われるので、今回強く感じた点だけメモ代わりに残します。

 参考リンク 藤井 聡 - これ、かなりアクセスがあるようですが、相当悪質です。... | Facebook

 

この記事でどれだけの票を動かせたかは分からないが、そのうちの数名が「この記事を見て意思を決めた」と報告してくださった。肝心の都構想は否決となったので、この体験が参考になるか分からないが、日本のどこか若者1人でも良いので、政治参加のヒントになればという事で記載させて頂く。

 

賛成・反対をtwitterで叫んでも意味が無い

よく考えて欲しい。「賛成派同士でtwitterで叫び合う」あるいは「反対派の人がtwitter上で賛成派の人を非難する」。こういった行為は本当に意味があるのだろうか。大阪都構想の様に、一般市民が「その他市民に影響を与えたい」というケースでは、絶対に外してはならない4つのカギがあると思った。

 

 ~ 一般市民が政治運動する際に大事なこと ~  

 1. 「意思が決まっていない人」だけにターゲットを絞る

 2.  自分の意見を一方的に言わない

 3.  最終的な判断を本人に委ねる

 4.  より多くの人に伝える方法を追求する

 

1.まず根本的な事だが、「自分の思いを伝えるターゲット」を定めるという事が、何より大事だと思う。今回の大阪都構想の場合、賛成派も反対派も同じ意見の人同士で固まり、そして逆の意見を非難するというケースが多かったと思う。が、ハッキリ言ってこれは労力の無駄遣いだと思う。人の意見を変える事が至難の業である事は、冷静に考えれば皆分かると思う。賛成派も反対派も、もし票の獲得が第一なのであれば、「意思決定してない人」だけにその労力を使うべきだと思う。

2.非常に勇気がいるが、伝えたい相手には議論の全体像を説明する事。メリットとデメリット、あるいは賛成側と反対側の両方の意見を伝える事で初めて、聞き手・読み手は警戒心を捨ててくれる。説明のロジックに自信があるなら、賛成:反対の意見を50:50の比率で伝えた上で、最終的に賛成に導くという形が理想だと思う。

3.説得する際は必ず冷静である事。そして相手の意思決定を尊重する事。ネット社会においては、専門家でもない個人の意見・説明などほぼ影響力がない。むしろ、一方的に賛成や反対に誘導しすぎた場合、それに不安を覚えた人は真逆の情報をネットで調べてしまうかもしれない。

4.ネットを使った拡散方法について。個人的な意見としてはtwitterFacebookには限界があると思う。それらSNSでの発信は自分と同じ意見の人を中心に情報拡散され、上記1.で伝えたより重要なターゲットに情報が広がらないからだ。より自然に、より目的のターゲットに情報を届ける手段を考える事。(ここの説明は長くなるので、今回は記載せず)

 

(例外)どストライクの相手批判は効果的

上に記したのは私の考える意見で、「逆の意見の人」に対して力を注ぐのは効果が薄いと思う。ただし、相手に致命的な欠点がある場合は、それを公にするのは効果的かもしれない。都構想の場合、反対派の自民党大阪府連にとって「党内のねじれ」はまさに欠点だったので、以下の様なYouTubeを作った。この場合、情報拡散のターゲットには、自民党支持者も意識した。繰り返し言うが、大阪都構想が否決されたのは事実。しかし、自民支持者の多くが賛成に回り、その結果、都構想の賛否が拮抗したのも事実。

▼私が編集・UPしたYouTube

何より私が狙ったのは、自民党のキャッチコピー「大阪都構想不都合な真実」というワードでした。gooleやヤフーでこのワードを検索した際には、自民党公式HPに次いでこの動画がヒットする様に狙ったのです。この仕組みを作る事でより多くの「自民党支持者」にも自然とこの動画が見られる事になります。

 

若者も政治を動かす事が出来るかもしれない

大阪都構想を経て、今は政治に関して「どうせ」とは思わなくなった。確かに都構想は否決になった。だた、若者もネットを効果的に使えば政治に対して威力を発揮する事ができる。そのポテンシャルを感じた。

同じ志の若者を集めて、これからも政治に影響をもつネット活用を考えたい。自分たちや若者の未来の為に。

 

▶ より詳細を知りたい方がいれば今後、(私なりの)具体的なハウツー記事も書きたいと思います。ただし情報拡散に関しては、あくまで独学なのでその点は悪しからず・・。

 

著者:ゲンゴロウ

 

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